PRTR制度は人体や環境に有害な化学物質の排出・移動量を可視化するために制定された制度です。特定の化学物質を扱う業者は事業所から排出された化学物質の排出・移動量を把握して国に届け出る義務が設けられています。
この提出されたデータをもとに、社会全体で環境リスクを知り対策を講じられるよう、各事業者から集計された化学物質の排出・移動量は国民に公表されています。

今回は、産廃業者などが義務付けられているPRTR制度の仕組みについて解説いたします。

 

PRTR制度とは化学物質の排出・移動量を把握して国に提出する制度

PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)制度とは、事業者から排出された人体や環境に有害な成分を含有する化学物質の排出・移動量を国が集計して1年単位で国民に発表する制度です。
本制度の対象となる業者は、事業所から排出された特定の化学物質の量を把握し、各自治体の窓口へ届出を出す必要があります。

提出された化学物質の排出・移動量のデータは自治体窓口を経由して国に集計され、経済産業省など行政機関のホームページにて都道府県・業種別に結果が公表されます。
これにより、業者は特定化学物質を削減する目標が立てやすくなり、国民は公表結果をもとに排出・移動された化学物質の種類や量を確認できます。
つまり、データは国全体で環境問題に取りめるよう働きかける効果を持っているのです。

 

【産廃業者は必須】3つの要項に該当する業者は届出が必要

以下3つの要項を満たす業者はPRTR制度の対象となり、特定の化学物質が事業所から大気・土壌へ排出された量と下水処理などで外部へ移動した量を国に届け出る必要があります。
産廃業者はPRTR制度の対象業者であるため、観測機器による実測や物質収支などで化学物質の排出・移動量を算出しましょう。

【PRTR制度の対象となる業者】
1.産廃業を含む全24種類の業者
2.アルバイト・パート雇用などを含む常勤従業員が21人以上在籍する業者
3.有機塩素系化合物やオゾン層破壊物質といった第一種指定化学物質の取扱量が年間1,000kg以上、または一般廃棄物および産業廃棄物処理施設などの特定の施設を保有する業者

上記に当てはまる業者は環境大臣への届出が義務付けられています。
事業所の名称や所在地などを記載する届出書、第一種指定化学物質の排出・移動量を記載する別紙の書類を各自治体が定める環境局の窓口に提出しましょう。
また、届出は書面に限らず電子ファイルや、独立行政法人製品評価技術基盤機構が提供するオンラインのシステムを利用した届出も可能です。[注1]

[注1]経済産業省・環境省:PRTR届出の手引き[pdf]
https://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/submit/tebiki/tebiki_all.pdf

 

PRTR制度は社会全体で環境リスクを理解し対策を講じるために必要

PRTR制度は社会全体で有害な化学物質が人体や環境に与えるリスクを理解し、排出削減などの対策を講じるために制定された制度です。
産廃業者はPRTR制度の対象なので、化学物質の排出・移動量を算出したデータは毎年の提出期間である4月1日から6月30日までに必ず提出しましょう。