目的実現のため努力・工夫を行った企業に対して交付される助成金は、主に雇用・福利厚生関係のものが多く、要件に当てはまれば交付が受けられます。一方補助金は、事業に必要な設備投資や研究・開発など、事業の活性化を図るためのもので、各省庁や自治体、財団法人などが交付します。要件を満たしていても、必要書類を提出し審査に通らないと受け取れません。
今回は、産廃業者が受け取れる助成金・補助金の種類や条件などを解説いたします。
東京都微量PCB廃棄物処理支援事業(分析・処理)
都内に保有するトランスやコンデンサー等の電気機器類に微量含まれるPCBの分析経費の一部と、微量PCBに汚染された絶縁油・電気機器の処理にかかる経費の一部を助成するものです。公益財団法人東京都環境公社が実施しています。
申請締切:2021年3月31日必着(予算の範囲を超えた時点で受付停止)
・分析経費の一部助成について
助成金額は助成対象機器にかかった経費の50%(上限は12,500円/台)です。書類提出は交付申請時と実績報告時の2回あり、申請前には事前の電話予約が必要です。
・処理経費の一部助成について
助成金額は助成対象経費合計から微量PCBを含まない廃棄物の処理に要した経費の合計を控除した額の50%です。上限はPCBを含む廃棄物を処理した方法によって異なります(84,000〜450,000円)
詳細は東京都環境公社WEBサイトにてご確認ください。
https://www.tokyokankyo.jp/jigyo/resource-circulation/pcb
東京都高濃度PCB廃棄物収集運搬支援事業
都内の保管所からJESCO東京事業所まで高濃度PCB廃棄物(トランス・コンデンサーなど)の収集運搬にかかる費用の一部が助成されます。申請締切は2021年3月31日ですが、予算の範囲を超えた時点で受付停止します。
【助成対象】
JESCOに機器登録した高濃度PCB廃棄物を都内で保管・所有しており、JESCOへの中小企業者等軽減措置制度の申請を行い軽減対象となっている事業者
助成金は、助成対象経費の50%で、上限は廃棄物の種類によって異なります(115,000円〜260,000円/台・式)
漏えい防止措置が必要な高濃度PCB廃棄物が複数ある場合は、それぞれに助成限度額が適用されます。(5万円/台・式)
申請前に東京都へPCB廃棄物などの保管及び処分状況等届出書の提出や、JESCOにPCB機器等登録申込みなどをする必要があります。
また、収集運搬は必ず交付決定通知書を受領した後に行ってください。通知書の発行日よりも前に収集運搬をした場合は、助成金の交付ができなくなってしまます。
詳しくは東京都環境局または公益財団法人東京都環境公社へ確認してください。
https://www.tokyokankyo.jp/wp-content/uploads/2017/08/konodo_tebiki.pdf
https://www.tokyokankyo.jp/jigyo/resource-circulation/high-concentration-pcb
福島県産業廃棄物処理施設等理解促進支援事業
福島県で実施しているのは、産廃処理施設などに対する理解促進の目的で産廃業者が自社施設の整備を行ったり自社施設を活用した環境教育等を行う場合にその費用を一部支援するものです。
平成30年度は既に受付を終了していますが、補助額は理解促進のための整備事業に300万円以内、住民理解促進事業に50万円以内です。
他の自治体でもさまざまな助成金・補助金が交付される支援事業が実施されていますが、申請受付は短期間で終わっています。
産業廃棄物処理助成事業
自治体ではありませんが、産業廃棄物処理業に関する次のような諸問題の解決のために交付される補助金です。公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団が実施しています。
*優良処理施設の整備を支援
*不法投棄された廃棄物の撤去の資金支援
*PCBなどの処理事業
*優良処理・排出事業者の育成
*廃棄物の発生抑制・減量化技術の開発
*循環資源の再利用・再生利用技術の開発
など
補助金の交付目的は、産業廃棄物処理業界に新たな技術、優良事業者・施設の増加などを普及させ、環境への負荷を低減した資源循環型の社会システムで重要な機能を担えるようにすることです。補助金額は助成事業の内容によりますが、最高50〜500万円です。
助成金・補助金の申請には素早い行動と準備が必要
助成金・補助金は返還義務のないお金ですから、事業主としてはもらっておきたいもの。しかし、受付期間が数年間ある東京都を除けば、どの助成金・補助金も受付期間は短期間です。交付期間内に書類を不備なく整え、事前相談などが必要なケースが多く、常に情報をすることが重要です。