産業廃棄物処理業の許可は、産業廃棄物収集運搬業、産業廃棄物処分業、特別管理産業廃棄物収集運搬業、特別管理産業廃棄物処分業の4種類に分類され、処理する内容に応じてそれぞれの許可を取得する必要があります。

■事業内容に応じた許可が必要

産業廃棄物処理の収集運搬業を行う場合には、産業廃棄物を積み込み、積み下ろす区域を管轄する都道府県知事の許可が必要となります。
許可を得るためには、事業のための施設、および申請者の能力が、環境省令が定めた基準に適合するものでなければなりません。
また、産廃許可申請に当たっては、会社の定款に、目的として産業廃棄物処理業を行う事が明確に記載されている事が必要で、会社の設立に際しては、定款にそれを記載していなくてはなりません。
さらに、産業廃棄物処理施設を設置・改良する場合は、業の許可とは別に「施設設置許可」が必要となり、工事着手前に設置場所を管轄する行政長の許可を受けなくてはなりません。
許可を受けた施設の変更、休止、廃止、譲り受けまたは借り受け、合併や分割等を行う場合にも、許認可申請や届け出などの手続きが必要になるなど、複雑な手続きが必要となります。
産業廃棄物の収集運搬の車両についても、細かく規定されています。
原則として、飛散・流出・悪臭の発散するおそれのない方法で行う必要がありますが、そのおそれがないときは、一般的な車両でも許可されます。
こうした規定を、すべて熟知していなければ、許認可の手続きも申請もスムーズに行われなくなります。

■産廃業の許可申請は書類を集めるだけでも大変な作業

許可申請に関する書類は、各都道府県・政令市の産業廃棄物の担当部署にありますが、これらを事業者が、すべて自らの手で行う事は、とても大変な作業です。
とくに、処理施設の設置に当たっては、廃棄物処理法だけでなく、建築基準法、大気汚染防止法、水質汚濁防止法などのさまざまな法律の適用や、周辺地域の環境保全、周辺住民への配慮を目的とした調査や協議が必要な場合もあります。
しかし、許可の申請の前に、やらなければならない事があります。
まず、申請者(法人申請の場合は法人の代表者あるいは役員等)は、財団法人日本産業廃棄物処理振興センターが行う「講習会を修了」していなければなりません。
また、事業を継続していくための、健全な財務状況も求められます。
個人で申請する場合は所得税、法人申請の場合は法人税が、直近の納税額1円以上で、さらに直近3年間に未納税額がない事が必要です。
この要件を充たしていなければ、追加書類が必要になる事があり、その内容は、許可が認められるかどうかの判断材料にもなります。