産業廃棄物処理業とは?
産業廃棄物とはビルの建設工事や工場で製品を生産する等の事業活動に伴って生じた廃棄物のことで、排出された産業廃棄物は無害化やリサイクルなどを通して、適切に処分しなければいけません。
そういった産業廃棄物の適切な処理に関わる仕事が、産業廃棄物処理業です。
今回は産業廃棄物処理業が具体的にどんな業務を行っているのか、産業廃棄物処理の流れと合わせてご紹介したいと思います。
■産業廃棄物の収集と運搬
産業廃棄物を排出した事業者(排出事業者)は排出した産業廃棄物を適切に処分する責任があるため、自ら処理できない場合には、産業廃棄物処理業者に処分を委託することになります。
排出された産業廃棄物を処分するためには、当然ですが産業廃棄物処分施設まで運搬する必要があります。
そこで、産業廃棄物収集運搬業者の出番です。
産業廃棄物収集運搬業者は、一般の運送業とは異なり産業廃棄物を運ぶため、飛散流出や悪臭などに対する厳格な基準が設けられていて、開業にあたっては許可申請が必要です。
積み込み場所と積み下ろし場所の両方の行政で許可を取得する必要があります。
また、爆発性や毒性などがある廃棄物は特別管理産業廃棄物と区別され、収集運搬を行う際には別の許可が必要です。
また、許可取得後も5年ごとに更新が必要なので注意が必要です。
■中間処理と最終処分
運搬された産業廃棄物は最終的には埋立や海洋に投棄することになりますが、そのままでは大きすぎたり、廃棄物の種類によっては腐敗や変質によって周囲の環境に影響を及ぼしたりする恐れがあります。
そこで、破砕や焼却、中和などを通じて産業廃棄物の状態を変化させる、中間処理を行います。
また中間処理にはリサイクルのための前処理も含まれることから、再利用可能な資源を生み出すという点でも中間処理は重要です。
中間処理を行った廃棄物は、処分の最後の工程である最終処分施設で処分されます。
最終処分とは埋立や海洋投棄などによって産業廃棄物を保持し続ける処分方法です。
処分する産業廃棄物の種類によって、最終処分場は安定型、遮断型、管理型の3つに分けられます。
■計画的な許可申請で円滑な事業運営を
このように産業廃棄物処理は、収集運搬・中間処理・最終処分という3つのステップからなります。
事業内容によって異なる許可申請が必要となるため、申請に必要書類の準備だけでも大変です。
また、都道府県ごとに書類の様式の違いも多く、一から準備するとなると手間も時間もかかります。
煩雑な手続きに貴重な人的リソースを割く必要はありません。
産業廃棄物処理業の法務に精通した専門家の代行を活用して、計画的な許可取得を目指しましょう。