産業廃棄物処理業の開業資金は?

産業廃棄物処理業を開業したいと思った時、まず気になるのが開業資金ではないでしょうか。

事前におおまかな開業資金の内訳を知って、開業に備えるとともに、忘れてはいけないのが補助金や助成金です。

あまり知られていませんが、多くの自治体で産業廃棄物処理業の開業への補助や助成を行っていますので、これらをうまく活用して開業準備をスムーズに進めましょう。

■開業資金の内訳

事業内容や事業規模によって必要となる開業資金は様々ですが、設備什器費と開業費に大きく分けて、それぞれの内訳を見ていきましょう。

設備什器費は、収集運搬業と処分業で大きく違ってきますが、まずどちらでも共通して必要なのが事務所建築工事費と用地整備費、そして収拾運搬車やフォークリフトなど、事業内容に合わせた車両です。

これに加えて、処分業では産業廃棄物を処理するための選別設備や破砕設備などの設備投資も必要となります。

開業費としては、社員やアルバイトの募集と、講習受講費などを含めた開業準備に関わる人件費、そして許可申請費用などが挙げられます。

開業資金は事業内容や規模、事業を行う場所などによって様々なので目安の金額をいうのは難しいですが、用地面積500坪、4t車両5台で郊外に収拾運搬業を開業するような場合ですと9千万円ほどかかります。

 

 

■助成金や補助金を上手に活用する

 

 

このように、産業廃棄物処理業の開業には用地の整備や専門車両の購入など、多額の設備費が必要となります。

開業資金を少しでも抑えるために個々の項目の見直しを行うのももちろん重要ですが、助成金や補助金をうまく活用すれば資金繰りが楽になるかもしれません。

多くの自治体で廃棄物関連の税収を財源に、廃棄物の排出抑制、再使用、リサイクルのいわゆる3Rを推進する設備整備や研究開発等を支援する補助金制度があります。

また、産業廃棄物処理事業振興財団でも、持続可能な循環型社会の構築に資する3Rの技術開発や施設整備などに対して毎年助成を行っています。

事業を行う自治体でどのような補助金や支援があるか、申請資格があるのかなど、担当課に問い合わせて早めに相談すると良いでしょう。

産業廃棄物処理業を運営するためには用地の整備や車両など高額な設備投資が避けられないため、開業にあたっては資金の調達が問題となります。

自己資金で賄えない分は、銀行から融資を受けることもできますが、借入金はいずれ返済しなければなりませんし、金利負担も必要になります。

助成金や補助金などの支援制度をうまく活用することで借入金をできるだけ抑えて、資金繰りに余裕を持って開業したいですね。